さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第3章 SideⅢ(沙絢)~Merry go round~
だが、彼は沙絢にとっては生命の恩人だ。恐らく今日の〝デート〟は彼が沙絢の身をまだ心配していて、様子を見るために逢おうと言ってくれたのだろう。いきなりデートに誘われたからといって、それをあの男が自分に好意を持ってくれたと思い込むほど、沙絢も子どもでも世間知らずでもないつもりだ。
また、彼にもあの夜、はっきり指摘されたように女としての魅力に欠けていることも判っている。平凡な顔立ちも貧弱でいまだ成長途上の身体も男の眼にはけして好ましくは映らないだろうことも。
また、彼にもあの夜、はっきり指摘されたように女としての魅力に欠けていることも判っている。平凡な顔立ちも貧弱でいまだ成長途上の身体も男の眼にはけして好ましくは映らないだろうことも。