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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第3章 SideⅢ(沙絢)~Merry go round~

 S駅の改札で待ち合わせだ。沙絢は無意識の中に髪を手ぐしで整えてから深呼吸して、改札に向かった。N駅同様、S駅もそれなりに大きな駅である。平日のせいか、人はそれほど多くはなく、駅は閑散としていた。自動の改札を通り抜けた数メートル先に、長身の男が所在なげに佇んでいる。携帯電話を開いたり閉じたりしている様は、どう見ても落ち着かない様子だ。

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