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さよならから始まる恋物語【Ｌove story】～雪の女王～

第3章 ＳｉｄｅⅢ（沙絢）～Ｍｅｒｒｙ　ｇｏ　ｒｏｕｎｄ～

　無視されたのかと一瞬、哀しくなったけれど、ここで帰るわけにはゆかない。沙絢は覚悟して彼に向かって歩いた。
「お兄さん？」
　一瞬、彼が沙絢を見つめ、ポカンと惚けたような顔になった。
「あ、俺に何か用ですか？」
　どうやら沙絢だと判らないらしい。沙絢は声を大きくした。
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