さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~
「それでも、私は頑なにママが自分から出ていったことを認めようとしなかった。本当は判っていたのに、それを認めたら、自分が棄てられた子だと認めることになるでしょ。ママの心には雪の女王の鏡の欠片が刺さって、心が氷のようになってしまったから、私を置いていったのだと思い込もうとしたわ。今でも、半分はそう思ってる。だって、心が氷みたいに冷たくなきゃ、自分の産んだ子を置いて自分だけ幸せになるなんてできないよ」