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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 どれくらいの時間が経ったのか。すべてを聞き終えた時、沙絢はまた泣いていた。
 光樹の過去はそれほどまでに壮絶なものだった。性的な辱めを集団で受けたときの下りは肝心な部分は直接的な言葉は使わず、曖昧にぼかして説明したのは沙絢を思いやってのことだろう。それでも、彼が受けた、あまりにも陰湿すぎる苛めの全容は沙絢にも理解できた。
「―酷い、あまりにも酷すぎるわ。寄ってたかって、無抵抗な子を」

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