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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~

 光樹がこのグループに入ったのは二年前の丁度、今くらいの時期だった。光樹の父はれきとした医者だ。父は祖父から受け継いだ病院を経営しており、母もいまだに保育士を続けている。典型的な堅実な家庭に両親、そんな家で彼は生まれ育った。
 長男にかけられた父の期待は彼には重すぎるものだった。
―俺は医者になんてなれないし、なりたくもないのに。

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