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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 ピンポーン。玄関にブザーがあったので試しに押してみると、気恥ずかしいほど大きな音が響き渡った。何度か鳴らしてみても、いっかな出てくる気配はない。
 細くドアを開けると、物音に気づいたのか、中から弱々しい声が聞こえた。
「誰か知らないが、適当に入ってくれよ」
 沙絢は抱えてきた紙袋を下げたまま、中に入った。

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