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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 泣きながら緩慢な足取りで歩く沙絢はやはり異様に映るらしく、道をすれ違う人が怪訝な顔で見ている。でも、今はそんなことに頓着はしない。
 だって、パパが死んだ日を除いて、沙絢にとっては、今日が最低最悪の日だったから。
 雪の女王は今度もまた、私の大切な人を遠くに連れ去ってしまうんだわ。
 沙絢の瞳から澄んだ雫たちがとめどなく溢れ出し、十二月の冷たい大気に儚く散った。

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