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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~

 彼らが札付きの不良だということは学校側も知ってはいたけれど、何しろ三年のリーダーが学校に毎年、大口の寄付をする大企業の御曹司だ。事が表沙汰になっても、物笑いと同情に晒されたのはかえって光樹の方だった。
 光樹を辱めた連中は罰を受けるどころか、何食わぬ顔で学校に通ってきているのに、苛められた光樹の方が向けられる周囲の好奇の眼に居たたまれなくなる有様だった。ただでさえ居場所のなかった学校は針の筵になった。

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