残業・メモ子
第28章 嘘舌
アパートに帰り…
メモしてしまった、高橋さんと畠山さんの…会話を……
見つめる…
あんな…バカ女に引っ掛かった高橋さんを…少し哀れに感じてしまった…
あの二人は…ホントに愛し合っていた…
お互いを分かっていたし…理解していた…
畠山さんは、毎日綺麗になって行った―――――…
なのに……
誘惑は……思わぬ方へ…運命を曲げる…
私は…このメモを…影男に見せるべきか…悩んでいた
コメントも…書けず…メモ帳は開いたままだった…
ふと…目線を動かすと…
テーブルに置いた…サンドイッチと…お茶のペットボトル…
お昼…全部食べれなかった…石割のサンドイッチと…ちゃっかり大島さんからもらったお茶が視界に入った…
「…夕ごはん…」
ガサガサっと…サンドイッチを取り出し…一口…
『…ん…おいしい…』
ゆっくり咀嚼し…飲み込む…
口の中をリセットするために…お茶を飲む…
どちらも…貰い物だ…
真面目そうな石割と…
チャラ男の大島…
性格の違う二人の……ご好意で…
今日の私の晩御飯が成立した…
変な気分だ――――――…