残業・メモ子
第32章 美男
「黒沢さん、この書類…提出したいんだけど…」
藤原は、書類をヒラヒラさせて私を呼ぶ…
『…はい。お預かりします』
藤原から書類を受け取り、少し上目遣いで…呆れた目をしてみた…
「睨まれるより…そそるよ?それ」
小声で藤原は、私をちゃかす…
『…目立ちたくないんですけど…』
私は、書類をチェックしながら藤原にコソっと訴えた…
クククっと藤原は笑うと…
書類の端っこの鉛筆書きをトントンと指差した…
「会いに来られたくなかったら、ここのアドレスにメールして〜」
『…はぁ?』
そこには…アドレスが書いてあった…
「メールくれるまで…通うから!」
メモ残業活動のためにも…私の容姿のためにも…
目立ちたくないのに!!!
藤原が隣にいるだけで…嫌でも目立つ…