残業・メモ子
第44章 去女
『え?ウソ!!!あの美人?』
私は、眼鏡を外し顔を出した!!!
『あっ!ホントだ…
何?藤原さんの彼女さんだったの?
……ま…納得の組み合わせね』
伊藤は、私と藤原を見比べ…勝手に納得した!!!
『いやいや!!!付き合ってませんから!性格…超悪いですから!!!藤原さん』
すると、伊藤はキャハハハハハと笑いだした
『そ〜そ〜!性格超悪いですよね?
合コンで…ぼろくそ言われて…ビックリしたし〜』
伊藤は、ベンチに座ると…タバコに火をつけた
『…復讐って?刺すかとおもったの?
そんなバカな事しませんよ〜!
逆に、藤原さんには感謝してるんです!』
伊藤の話では…
会社を辞めるきっかけが欲しかったらしい…
元々…酒、タバコ、男が好きな自分がいる場所じゃないって…思っていたらしく…
休んでる間に…クラブの面接を受けて…来週から働く事にしたらしい…
『私、結構…酷い事とかしてきたはずなのに…
回りの子も…男性も…何も言わないんだよね…
だから…ズバッと言ってくれた藤原さんには…感謝してる。
友達面してた奴らとかも…縁が切れてすっきりしたし…』
伊藤は…可愛い顔の分…損をしていたのかもしれない…
『…黒沢さんも、来てね!サービスするから!っーか副業で働かない?美人だし、指名とかすぐに入りそう!』
伊藤は…吹っ切れていたのか…可愛い顔の中に…癖のある悪性を覗かせた…
伊藤は、タバコを消すと…
白いコートをひるがえし…
『まったね〜』と言って…
去って言った……