残業・メモ子
第51章 謝涙
ベンチで……一人…
俯いたまま――――――…
涙が……
膝の上に置かれた拳に……落ちる…
石割が座っていた場所には…
メモ帳が……置かれたままで…
時々吹く風に……数ページ…揺れる…
“…なんだよ…これ…”
“…覗き……ですか?”
“……うそ…だろ―――?”
石割は……メモ帳を置いて…
俯く私に――――――…
何も言わず――――――…
公園を出て行った……
私は……石割の気配が消えても…
俯いたまま………
動けなかった―――――…
『―――…ゴメンナサイ…』
少し…
欲が出てしまっていた
石割が…優しくしてくれるから…
理想の女を演じて見るのも…悪くないって――――…
どっかで…思ってた…
会社でコソコソ…覗きをしていた事実は―――――…
―――――消えないのに――――――…