残業・メモ子
第65章 悩唇
『大島さんと…違う……』
もっと…もっと…芽依子を
知りたい――――――…
と…酔った勢いを借りて…
芽依子とキスをした――――…
芽依子が…俺を望んでいたのが…解ったから…
夢中で…芽依子の…綺麗な…唇を求めていた…
『…違う……』
芽依子の…この言葉に……
酔いが――――――冷めた…
“大島とは…違う…キス”
ふと…我に返った…
俺の……キスは……
正解じゃない―――――…
そう…聞こえた…
“違う……”
やっぱり――――…
大島か――――――――…
俺は………初めて…
誰かに嫉妬した――――…
どす黒い感情が……芽依子が掴む俺のワイシャツの胸の辺りから…ジワジワ広がって行った――――――…
芽依子を見ると……
涙が―――――――――…
目の前が……歪んだ……
泣かせるつもりは…
なかったのに―――――…