残業・メモ子
第80章 花嫁
私は、野菜スープを飲みながら…
今日の畠山さんと高橋さんを、思い浮かべる―――…
幸せそうな二人を思いだし…
頬が緩む――――…
「芽依子さん…笑ってる…」
「ああ…式が終わってからズーっとだ――――…」
『新たなスタートって感じで…初々しく感じてしまって…』
私は…野菜スープのにんじんをスプーンで突いた…
「あ…俺も―――…
新たなスタートをします!」
石割が、トレイをグッと握り…姿勢を正した…
「…俺…
料理の勉強を始めました…
いつか調理師の資格とか取って―――――…
芽依子さんに…俺の作った料理を食べてもらいたいって………」
ドキンとした……
真っ直ぐな目で…私を見つめる…石割…
『あ////ありがとう…
でも―――――…私…』
「…いずれ…自分の店が持てたら―――――…
藤原と――――
―――食べに来ればいい!!!」
藤原を見ると――――…
ちょっと笑って――――…
「ああ……頑張れよ…」
って―――――――――…
石割……ありがとう……