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俺の妹はこんなに可愛い。

第7章 『天使の寝顔に、妹っちゃう♪』

 
 


 
 (当時)18歳児の俺は、(当時)2歳児の三女と一緒に、耳鼻科へ来ていた。


三女「にーちゃ、やって〜♪」


 病院へ着くや否や早速、待合室の玩具コーナーを散らかし始める! 出来もしないパズルを広げては兄に作らせる、横暴な2歳児。


三女「にーちゃ描いて〜♪ にーちゃ折って〜♪」


 お次はチラシコーナーへ向かう! おもむろにチラシを取ってきてはその都度、兄に絵を描かせ折り紙を折らせる横暴な2歳児。


三女「にーちゃ読んで〜♪」


 更には本棚にまで! 読めもしない動物図鑑を持ち出して来させ、尚かつ兄に読ませようとする横暴な2歳児(まあ可愛いから良いんだけどねっ)。




策士な18歳児「じゃあ、この動物さんは何て名前でしょうーか?」


 ただ単に動物図鑑を朗読していても、二歳児には把握させられないので……図の動物を指差して、その名称を答えさせてあげる事に。我ながら素晴らしき、シスコンタクティクス!





2歳児の大声「キリンさんっ!」「シマウマさんっ!!」「ライオンさんっ!!!」



周りの患者さんたち『ww』


俺「大正解だよ……しかし病院のマナー的には不正解だから、もう少し声のボリューム絞ろっか」


 しかしこの作戦は、ことごとく裏目に出る羽目になった。二歳児に取っての回答権は、待合室のお爺さんお婆さんに取っての笑顔であり、保護者に取っての赤面となる……。





2歳児の巨大声「ワンワンっ!!」「ニャーニャ〜!!!」「モーモーおおおお〜〜!!!!」



待合室中の患者さんたち『ww』


俺「巨大正解……けどお兄ちゃんの顔の高潮具合的に不正解だから、この本はボッシュートっ!」


 頭脳明晰な妹を持った事に感心しながら、いずれ日本人特有の奥ゆかしさや謙譲の美徳についても教えてあげるべきだと思った(時々、可愛すぎて妹っちゃうよねっ)。



 見窄らしきオワコンタクティクスを企て、結果それに溺れてしまう無謀な18歳児……。








(次㌻につづく♪) 

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