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近くて甘い

第59章 運命の悪戯

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真希の言葉にその場にいたみんなが緩くため息をついた。


「……あなたがそういうなら、僕はもう何も心配はしません…。通訳の勉強も、お手伝いしますよ」



「あ、あの、非力ですが僕も多少は力になれるかと…」




声を上げた要と酒田に真希は笑顔を見せる。




そんな真希の姿に胸を震わせていた光瑠は、その幸せを共に噛み締めながら自然と笑顔を零していた。



「真希が…ママか…」


「まっきーは絶対いいママになりそうだよな〜」



うんうんと一同が頷く中で、ただ…と要が光瑠の事をチラと見た。




「父親が…ねぇ…」



「何が言いたいっ…」



「いえ、別に。
真希さん?父親業に関しても僕は最大限にお手伝い致しますから、何なりと」


はぁ、と気の抜けた返事をした真希の隣で光瑠は例の如く顔を紅くさせる。




「だまれっ!さっきからごちゃごちゃと──」



「あぁ…ほら、そんなに叫んだら胎教に良くないですよ。あなたに似て短気な子になってしまったら大変ですからね…」



「っ……!?」



先ほどの真希と全く同じことを言われて言葉を詰まらせた光瑠をみて、その場にいたみんなが、口を大きく開けて笑っていた。




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