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近くて甘い

第6章 今日のお茶汲みは

「そうです!田部っ、かなごんと申します!」


勢いよく自己紹介したせいで名前までも噛んでしまい、やだっ違います!加奈子です!と言い直したその時──


ブーッと光瑠がお茶を吐き出した。


「何ですか社長…汚いですねぇ…」


「おいっ…お前っ…どんだけ茶葉を入れればこんなに苦くなるんだっ…」


舌を出して顔をしかめる光瑠を見て、加奈子はえぇっ!?と声を上げた。


そう言えば私ボーッとしててお茶葉何杯入れたか覚えてないっっ


「もっ、申し訳ありませんっ…」


再び頭を下げた加奈子を見て、要はハァとため息をついた。


「本当に大袈裟ですね…」


あぁ…

横顔がっ…横顔が素敵───

庇うような言葉とキリっとした横顔に、加奈子はキュンとしながらじっと要を見つめた。


「心配することはない。
社長の舌が子どもなだけだから…」

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