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近くて甘い

第7章 水平リーべ

私は抱えていた猫を一旦降ろして隼人に近付いた。



「ダメ、ちゃんと寝ないと光瑠さんや要さんみたいに背が伸びないよ?いいの?」


「ひかるになれないのはいいけど、かなめになれないのはダメっっ!ねるっ!おやすみっ!」



目を見開いた隼人は慌ててそういうと、それぞれの猫たちにおやすみといって、部屋から出ていった。


小学生3年生になってちょっとずつ逞しくなっているけど、まだあどけない…。


そんな隼人がかわいくて、私はおやすみ~と答えながら、ふふっと笑った。



「あーひかるー!おやすみー!」


「おいっ…!俺になれなくてもいいとはどういう意味だっ!」


「え~?だって好き嫌いだらけの怒りんぼうになりたくないもーん」


「誰が怒りんぼうだっ!あぁ!? 」


「あ~ほらぁ~」


「っ…黙れっ!早く寝ろ!ガキがっ!」


「うん、おやすみ~」



ドアの外から二人の会話の声がする。



ん…?光瑠さん帰ってるんだ…



おかえりなさいとあいさつをしようと立ち上がろうとしたら、ニャアとサキちゃんが鳴いて私の腕に飛び込んできた。

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