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近くて甘い

第8章 ふぉーりんらぶっ!

「恋…?」



大きな口でオムライスを食べながら、藍が聞き返した。



「うん……、私、見事に射ぬかれたの……」



まるでなにか劇のセリフのように加奈子が言った。



「笑顔が素敵でね…
それに…、あぁっ…本当っ…あの横顔は犯罪だわ…っ」



加奈子はそう言いながら……ジョボジョボと自分のスカートにケチャップを垂らした。



「ちょっと加奈子っ!!ケチャップかける場所めっちゃずれてる!」



藍がそう叫ぶと加奈子はハッとしてひゃぁっと悲鳴を上げた。



「本当バカね」



藍が布巾を持ってきている間に、香純はスマホから顔を上げずにそう呟いた。

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