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そして強く見つめたあと私をギュッと力強く抱き締める。


「その『ね？』って言うのをやめろっ！！卑怯だ…っ」

「……？卑怯…？」


そう言えばこの前も卑怯だって言われたけど…
何がどう卑怯なのか全く分からない…


「ったく…っ。」

「────…」

「分かった…っ。
許してやるっ…。」


えっ…！！


「ただしっ！！！！」


ガバッと顔を上げた光瑠さんを見てビクッと身体が震えた。


そして至近距離で怒ったような目付きで見つめてくる。


「許すのは話すことだけだっ！！
髪の毛一本、触れさせるなっ！！
お前は俺のもので、
お前の婚約者は俺で
お前が愛してるのも俺だということを、ぜっったいに忘れるなっ！！！！」


「っ……」


俺はお前が…


いや違う…お前は俺が…？


一気に同じような事を言われて「俺」と「お前」という単語が頭でぐるぐるする。


「分かったら返事をしろっ！」

「はっ、はいっ…！」


よく分からなかったけど、多分当たり前のことを言っていたように思うから、私は勢いに乗って返事をした。


「あぁっ…ったく！」


光瑠さんそう言いながら、私の背中に腕を回してグッと持ち上げて身体を起こさせた。