近くて甘い
第14章 お願いの仕方 ~光瑠~
後悔先に立たず────
ルンルンで荷造りをする真希を酒片手に眺めながら、そんな言葉が頭を回る。
やけに楽しそうなその様子が気にくわない。
つい呑むスピードが早まるのが、こういうとき酒に強いという自分の身体が腹立たしい。
「寒いかもしれないからやっぱもう一枚持っていった方がいいかなぁ…」
「……早く済ませて、酒を注げ」
「もぉ。お酒くらい自分で注げるでしょ?」
顔を見もしない真希に光瑠はチッと舌打ちをする。
別に本当に酒を注いでほしい訳じゃない。
折角傍にいるのに見向きもされず、他のことに思いを馳せているその姿に腹が立っているのだ。
言われた通り自分で酒を注いだ光瑠はソファーの背もたれに寄りかかりながら、はぁっと溜め息をついた。
何故許したのか──…
他の男が真希に触れるかもしれないという心配以前に、自分が3泊4日、真希に触れられないことに耐えられるのかを考えなかったのはとても愚かだ。
だが、
やはり、
後悔先に立たず───
である。
ルンルンで荷造りをする真希を酒片手に眺めながら、そんな言葉が頭を回る。
やけに楽しそうなその様子が気にくわない。
つい呑むスピードが早まるのが、こういうとき酒に強いという自分の身体が腹立たしい。
「寒いかもしれないからやっぱもう一枚持っていった方がいいかなぁ…」
「……早く済ませて、酒を注げ」
「もぉ。お酒くらい自分で注げるでしょ?」
顔を見もしない真希に光瑠はチッと舌打ちをする。
別に本当に酒を注いでほしい訳じゃない。
折角傍にいるのに見向きもされず、他のことに思いを馳せているその姿に腹が立っているのだ。
言われた通り自分で酒を注いだ光瑠はソファーの背もたれに寄りかかりながら、はぁっと溜め息をついた。
何故許したのか──…
他の男が真希に触れるかもしれないという心配以前に、自分が3泊4日、真希に触れられないことに耐えられるのかを考えなかったのはとても愚かだ。
だが、
やはり、
後悔先に立たず───
である。