近くて甘い
第19章 休暇は甘く…
空いた口が塞がらない
まさに今その状況だ。
「本当に、何もかも大げさですね…」
「意味が分からん、どういう意味だ…」
当たり前のように言った光瑠さん。
到着したと同時に着いた外の暖かみのある電気は、森の雰囲気を壊す事なく足下を照らす。
木で出来た素敵な階段を昇っていくと、梨子が私の事を肘で小突いて来た。
「ねぇ…あの…玉の輿って羨ましいけどさ…ここまでだとちょっと滅入ったりしない訳…?」
「……滅入ってるよ…」
別荘だと言うのに、有り得ないほど大きなその屋敷に滅入らない訳がない…
いつぶりに来たんですか?
と質問したら、“ここ”の別荘は随分来ていないと言われたのがまた恐ろしいっ…
きっと複数持っているんだろうけど、また、彼との感覚のズレに不安になりそうだから、詳しく聞くのはやめた。
「さすが有川家…ですね…」
そう呟く要さんに落ち着いた気持ちになった。
「お前の別荘も八ヶ岳にあったように聞いていた気がしたが──」
まさに今その状況だ。
「本当に、何もかも大げさですね…」
「意味が分からん、どういう意味だ…」
当たり前のように言った光瑠さん。
到着したと同時に着いた外の暖かみのある電気は、森の雰囲気を壊す事なく足下を照らす。
木で出来た素敵な階段を昇っていくと、梨子が私の事を肘で小突いて来た。
「ねぇ…あの…玉の輿って羨ましいけどさ…ここまでだとちょっと滅入ったりしない訳…?」
「……滅入ってるよ…」
別荘だと言うのに、有り得ないほど大きなその屋敷に滅入らない訳がない…
いつぶりに来たんですか?
と質問したら、“ここ”の別荘は随分来ていないと言われたのがまた恐ろしいっ…
きっと複数持っているんだろうけど、また、彼との感覚のズレに不安になりそうだから、詳しく聞くのはやめた。
「さすが有川家…ですね…」
そう呟く要さんに落ち着いた気持ちになった。
「お前の別荘も八ヶ岳にあったように聞いていた気がしたが──」