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近くて甘い

第31章 if...



「カナメさん…」




定かではない名前…




出会った商店街に雨が降る。




会いたい…


贅沢なことは言わないっ…



ただ、お金を貸してくれた事の御礼と、



傘を…



私に“傘をさしてくれた”ことの御礼を言いたいだけ…





バカだなと思いながら、私は顔を上げた。



一瞬、心臓が止まったのではないかと思うくらいの衝撃に、私は、目を見開いた。




前方から近付く影。




傘で顔が見えないけれど、

そのシルエットがとても似ていて…





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