近くて甘い
第37章 立つ悪女は後を濁す
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香純さんの言葉が刃となって私の胸を貫いた。
なんでっ…香純さんがそのことをっ…
「そんなに自信満々で本当に笑っちゃう!」
ケラケラと、冷ややかな笑い声が耳にこびり付いて離れない…
「君っ!!これ以上真希さんを傷付けるようなことを言うようなら───」
「あんたも、偉そうなことを言える立場?」
腕を組んだ香純さんは、要さんのことを見て、ニヤリと笑った。
「私のお蔭で大好きな彼女とキス出来たんじゃない…」
「っ………」
「怒鳴ってばかりだけど、いつ私に『ありがとう』って言うの?」
なんて人なんだろう。
傷をえぐって楽しんでいる姿は本当に血の通っている人間なのかと疑うほどだ…。
言い返せずに固まる私と要さんを見て、香純さんはさらに愉快そうに笑った。
「とことん傷付けばいいわっ!この私をクビにするんだからそれくらいのことは───」
「いい加減にしてっ!!」
パチンっと大きな音がなったと思ったら、香純さんは目を見開いて頬に手を当てていた。
「田部さん…」
要さんがそう力なくつぶやくと、香純さんの前に出ていた加奈子さんは大きく息を吸った。
香純さんの言葉が刃となって私の胸を貫いた。
なんでっ…香純さんがそのことをっ…
「そんなに自信満々で本当に笑っちゃう!」
ケラケラと、冷ややかな笑い声が耳にこびり付いて離れない…
「君っ!!これ以上真希さんを傷付けるようなことを言うようなら───」
「あんたも、偉そうなことを言える立場?」
腕を組んだ香純さんは、要さんのことを見て、ニヤリと笑った。
「私のお蔭で大好きな彼女とキス出来たんじゃない…」
「っ………」
「怒鳴ってばかりだけど、いつ私に『ありがとう』って言うの?」
なんて人なんだろう。
傷をえぐって楽しんでいる姿は本当に血の通っている人間なのかと疑うほどだ…。
言い返せずに固まる私と要さんを見て、香純さんはさらに愉快そうに笑った。
「とことん傷付けばいいわっ!この私をクビにするんだからそれくらいのことは───」
「いい加減にしてっ!!」
パチンっと大きな音がなったと思ったら、香純さんは目を見開いて頬に手を当てていた。
「田部さん…」
要さんがそう力なくつぶやくと、香純さんの前に出ていた加奈子さんは大きく息を吸った。