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近くて甘い

第43章 将来の扉

「おどおどするな…」



「っ……」



「もっと左手の薬指を強調しろ…っ」



なにそれっ…!





「真希さん、ズバリ、有川社長のどんな所に惹かれたのでしょうか?」




「ははは…随分と恥ずかしい質問だ…」




ニコリと笑って、私の腰をさらに強く掴んだ光瑠さん。



わざとらしいっ…



私が…黙ってやられてるだけだと思ったら大間違いなんだからっ…




「そうですね…」



心の中で気合いを入れた私は、息を吸って報道陣の方を見た。




「心が…とっっっっても広いところですかね…」



「おぉ…なるほど…。それは具体的には?」



「……呆れるような嫉妬はしませんし、もちろん子どもっぽいことも一切しません。それに、私が何をしても許してくれるんです…」




ニコッと笑って光瑠さんの方を見たら、光瑠さんは嫌な予感を感じ取ったのか、営業スマイルを微かに崩した。


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