近くて甘い
第43章 将来の扉
嫌な予感にまみれた酒田はハっとして光瑠のことを見つめた。
「いやっ…違いますよ社長っ!確かに真希さんは、『私と隼人から…』とおっしゃりましたけどっ…真希さんには一切触れていませんし、やましい気持ちも一切ありませんのでっ…」
「はぁ?」
ごにゃごにゃと何やらいい訳を始めた酒田に光瑠は片眉を上げた。
「ですからっ…そんな事で怒らないで下さいっ…僕と真希さんは一切そういう関係ではっ…」
「何を言っているんだ!!!!」
叫んだ光瑠にビクンと酒田は身体を震わせた。
っ……どうやら嫉妬している訳じゃないようだっ…ならなんだっ!?
クククと笑う要のことを見ながら、酒田は頭をフル回転する。
「そんなことで俺が怒る訳ないだろうがっ…!」
いやっ…怒るだろうっ…!
「第一俺は今全く怒ってない!!!!」
っ…そんな怒りながら言われてもっ…