近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
「本気で好きだった…。
でも…
それは…過去だ…」
「は…あ…」
訳が分からず、私は気の抜けた返事をした。
吉岡くんは私の事が好きで…????
でもそれは過去で…?????
「突然ごめん…
でも…伝えたかったんだ…」
そう言って
吉岡くんは、愛花ちゃんのことを見つめた。
「前に進みたいから…」
私の手首を離した吉岡くんは、今度は愛花ちゃんの手首を掴んだ。
「浩平くんっ…?」
「野口…」
「………っ」
「行くぞ───」
え?