近くて甘い
第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?
完全に場が要のペースに飲まれている。
呆れた光瑠は、片眉を上げて要のことを見た。
「キザなお前にもってこいの仕事だな」
「ふっ…有川“王子”…いや、失礼…、社長も何かなさったらどうですか?」
からかわれた光瑠は、眉間にしわを寄せて、要の事を睨みつける。
「ふざけるなっ…!俺が何故こんなバカげたことを───」
「なら、真希さんがこの姿で他の男の接客をしてもいいですか?」
「っ……」
言葉を失った光瑠は、傍にいる真希の事を見つめた。
「えっ…あっあのっ…私はっ…」
いつもより濃いめの化粧。
考えられないほど短いスカート。
男心をくすぐる姿なのは間違いない。
今そんな真希を見つめながら、自分の男心がくすぐられている事自体がそのことを証明している──…