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近くて甘い

第51章 最後の約束

「まぁ、気にすることはないと思いますが、少々遅れているので、年内中には終わらすという目標で…」



書類を見ながら、ペラペラと話す要のことを、光瑠は注意注意深く眺めていた。


卒なく仕事をこなす様は、今まで通り…


どこか、変わったようなところは…




「社長…?聞いていますか?」


「ん?あぁ…すまない」




逆にぼぅっとしている光瑠ことを要が心配する始末。



やはり、真希と酒田の気のせいだったのだろうか…



そんなことを思いながら、光瑠はスーツを正す。



気味が悪いほど完璧なのが、関根の特徴だ。



様子がおかしいことなど、これまで真希が絡んでいたこと以外ではひとときだって無かった…




「…では、このように事を運びます」



「あぁ、頼んだ」




組んでいた腕を解いた光瑠が新しい書類を手に取ると、社長室を出ようとした要と入れ違いで酒田が部屋に入ってきた。









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