テキストサイズ

この前、近くて遠くて、人を拾いました!?

第4章 主催者

◆真希◆──────…


「なんか…光瑠社長可愛がられてるのね…」



ぽつりと礼二さんの奥さんが呟いたのを聞いて、私は軽く会釈をした。


揺れる肩までの髪。


かわいらしい顔立ちなのに、何だか強そうで黒いドレスがとても似合っている。



「あなたの…お名前は…?」



優しく微笑まれてドキッとした。


何か、とても和む素敵な人だな…



「藤木真希です…」


「えっ?」



聞き返してきた彼女にもう一度名前を言う。



「ふじ き
ま き………韻(いん)だわ……」


「?いん…??」


「でも、結婚するから大丈夫ねっ」



彼女が呟いたのを聞き返すと、あ、いえなんでもないの。と顔の前で手を振った。


いんって何だったのだろうか…

まぁいいや。



「私、西園寺みきです。残念ながらあの気違いの妻です。」



そう言いながら、みきさんは光瑠さんの手首を掴もうと必死な礼二さんを指差す。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ