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この前、近くて遠くて、人を拾いました!?

第5章 懇願会

やはり訳が分からず、要ははぁ…と気の抜けた返事をした。



「────僕たちがどうなるかは奈々という女次第だ。何かお願いしたいことがあったらこの機会にしておいた方がいい…」



奈々…


どこかで聞いた名前だ…と要は記憶を手繰り寄せる。


だが、印象が薄すぎて思い出すことは出来なかった。



「お願いしたいこと…」



何だろうか…。
パッとは浮かばない。



『────大丈夫、要はちゃんと幸せにするから…』


「ん…?」



ふと天から聞こえた言葉に要は眉をしかめて首を傾げた。



「どうした?」


「あ、いや…今、なんか声が聞こえませんでしたか?」


「声…?」



首を捻る総一。


空耳だったのだろうか…
にしてはハッキリと女性の声がしたが…



「気のせい……だったみたいです」



きっとシャンパンを何杯か呑んだせいだろう…



「神の啓示かな?」


「はっ…まさか。そんなわけありませんよ。」



総一と要はシャンパンで少し上気した顔を見合わせて、笑った──…



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