
紅姫と黒猫の夜
第1章 悩み
三つ編みにした長い黒髪に、深紅の瞳。
ジュダルだった。
本人は気づかれていないつもりらしいが、丸わかりだった。
《神官殿は紅玉姫のことが好きらしい。》
これはまだ二人が幼い頃から宮中で噂されていることだった。
(紅玉くらいだよ、ジュダルくんの気持ちに気づいてないのは。……あんなにだだ漏れなのにさァ…)
いつもそばにいる、紅炎、紅明、紅覇、白瑛、白龍らがその気持ちに気づくのは必然と言えど、ほとんど関わりのない兵や下女たちまでもがそのことを知っているのは、彼の想いが、非常にわかりやすいからだった。
ジュダルだった。
本人は気づかれていないつもりらしいが、丸わかりだった。
《神官殿は紅玉姫のことが好きらしい。》
これはまだ二人が幼い頃から宮中で噂されていることだった。
(紅玉くらいだよ、ジュダルくんの気持ちに気づいてないのは。……あんなにだだ漏れなのにさァ…)
いつもそばにいる、紅炎、紅明、紅覇、白瑛、白龍らがその気持ちに気づくのは必然と言えど、ほとんど関わりのない兵や下女たちまでもがそのことを知っているのは、彼の想いが、非常にわかりやすいからだった。
