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幸運の女神

第9章 ふたたび月曜日

[日曜日の深夜]

女神様へ…
あなたには会わなかった事にして下さい

リクエストカードには、そう書かれていた

本当にこの望みで良いのですね?

差し出されたリクエストカードを見た女神が男に尋ねた。

疲れ切った様子の男は、微かにうなづいた。

わかりました。
あした朝あなたが目覚めれば、一週間前に戻っています。もうわたしは現れません。もちろん、わたしと会った記憶も無くなっています。
それで、よろしいですね。

男は今度は大きくうなづき「お願いします」と小さく言った。

女神は男に微笑みかけた。

ふふっ…
やっぱり、あなたはわたしが思ったとおりの人だったわ。

この女神のつぶやきは、
男には聞こえなかったようだ。

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