histoire d'amour eternel
第18章 今だけ
コイツのお陰で、心は落ち着いてるんだけど
だから、今、こうしてくっついてる必要はないんだけど
でも……
もう少しだけ、温もりを感じて居たくって
―――完全、無意識。
背中に回す腕の力を、ほんの少しだけ入れてみた。
すると、コイツはそれに返すかのように
あたしを抱き締める腕の力をクッと軽く強めた。
密着が強くなったせいか、トクントクンと規則正しい鼓動があたしの耳を伝う。
あたしはそっと瞳を綴じて、伝う鼓動に耳を傾けながら
心の中でそっと呟いた。
“好き”
“ありがとう“
「どう?落ち着いた?」
「うん、少しだけ」
落ち着いたけど
もう、大丈夫だけど
もう、言わないから、最初で最後の我儘
言っていいかな…?
「もう少しだけ…」
「ん?」
「もう少しだけ、こうしてて…」
もう少しだけ、温もりを感じてたいから…
「ばーか。
これから、ずっとこうしててやる」
「――――え…?」
*Fin*