
I'll protect you.
第21章 初恋の人
屋上の扉を開けると、
暖かな風が私の体を包み込む
雲ひとつない青空と、
キラキラと照りつける太陽
どこか懐かしい感じがした
「ちょっと待ってて1分で戻るから」
『う、うん!』
そう言ってシン君は走ってどこかへ行ってしまった
一人になった私はフェンスに手をかけて空を見る
…ずっと会いたかったシン君に会えた
カナとコウキ君は元気かな…
でも、そんなことシン君には聞けない
私はもう姫路 優ではないから…
これ以上の関わりはもってはいけない
でも、今だけは
ユウでいさせて…
