
I'll protect you.
第22章 ユウと優
ずっと、下を向いたままただ黙っていたマナちゃんが、勢い良く顔をあげて感情的になりながら声を張り上げた
『いつも、優優優ってうるせーんだよ!!
悲劇のヒロイン気取ってさ、みんなに心配されて、
マジ腹立つ。
優に心くんのこと聞いても知らないって言ってたくせに
本当は、こんなに仲良いのに隠して…
ただのクソビッチじゃない!!あんな子!!』
「それ、どうゆうこと?」
すかさず、シンがマナちゃんの言ったことに反応した
『いや、根拠はないけど絶対そうだもん…!!』
焦りながら周りをキョロキョロしながら誤魔化そうとしている
明らかに怪しい
そんなマナちゃんは、俺らが聞こうとしても口を割ろうとしない
『わかんないけど、そう思うの!』
依然、口を割らないマナちゃんにシンは、はぁーと溜息をついた
「いいから言えよ」
シンのドスの効いた声
凍りつくような冷たい目
俺でさえ、体が強ばる威圧感にマナちゃんはやっとの思いで声を絞りだした
『…毎週月曜日に、
必ずある人と会ってるのを見たって聞いて……
でも、普通の雰囲気じゃなかったって…』
そう言ってマナちゃんはシンから目を逸らした
「ある人?」
少しの沈黙、マナちゃんは深く息を吸い込んだ
『優のお兄さんよ…』
