I'll protect you.
第27章 過去
玄関を開けて部屋へと入る。
風呂場の電気は消えていて、既にユウは風呂から上がった後だった。
短い廊下を歩き、部屋へと続くドアを開けた。
俺は、その光景を見て言葉が出なかった。
そこにいたのは、
小さくなって震えているユウだった……
ユウは怯えながらも、ゆっくり視線を俺に向けた。
『…シン君……ッ』
ユウは俺を見るなり、俺に縋りついた。
『よかった……帰ってきた…………』
ああ、そうか……
家で一人でいるのが怖くなったんだ。
誰も帰ってこなかったあの頃を思い出したんだな……
ユウを安心させたくて、俺はユウの 背中に手を回し優しく摩った
「……ごめんな。
もう、どこにも行かないから。
大丈夫だよ、ユウ」
俺の腕の中で何度も頷くユウ
『シン君お願いがあるの……』
「なに?」
『このままシン君と一緒に寝てもいい……?』
そう言いながらも震えているユウを俺は力一杯抱きしめ返した。
「いいよ。
ユウが眠れるまで起きてるから何かあったら言ってくれな」
『うん……』
それから、ユウは俺から絶対に離れようとしなかった。
俺にビッタリくっ付いたまま眠るユウを見ながらさっきのユウを思い出す。
相当、一人でいることがトラウマなんだろうな……
それなのに、一人暮らしなんて大丈夫なのか?
いつもどうしているんだろ……
そんなこと考えているうちにいつの間にか俺も眠りについていた。