
I'll protect you.
第31章 近い⇔遠い
久々にシン君の家に全員集合してご飯を食べる。
シン君の強い希望で今日はみんでお鍋を食べることになった。
『「「「いただきまーす!」」」』
みんなちゃんと両手を合わせていただきますをしている姿は本当に昔と変わらず可愛い
あの頃のまま、真っ直ぐに成長した彼らは誰よりも心が綺麗だと思う
「美味い……」
みんな犬のようにご飯にかぶりついている
ご飯をあっという間に口の中に流し込んで、最終的には最後の1膳分のご飯を誰が食べるかのジャンケンをする始末……
やっぱ子供だわ……
でも、そんなみんなが大好き
「シンさー、楓と付き合ってなかったのか?」
「ブフッ!
なんだそれ!?
誰が言ったんだよそんなありもしない話」
お昼の時も楓の告白断ったって言ってたよね……
告白されたんだ……
「でも、俺さー
シンが学校休む前の日にサッカー部の裏で
楓と抱きしめ合ってるの見たんだけど」
「……” 抱きしめ合ってる ”じゃなくて
” 抱き着かれた”だ!」
『でも、みんなそう言ってたよ?』
「……ユウまで…
本当に勘違いしないで欲しいんだけど、
俺はあの日、楓に告白されたんだ。
だけど、断ったら……」
シン君はハッとして自分の口を手で覆った
『「「……断ったら?」」』
「……抱き着かれただけ」
なに、この雰囲気……
『シン君、なんか隠してる……?』
怪しい
これが、女のカンってやつだと思う
「本当になんもねーよ!」
それでも、シン君の笑顔に私の心は乱されて全部なかったことになっちゃうんだ……
