
I'll protect you.
第31章 近い⇔遠い
『どうして……?
シン君は一体どこに行ってるの……?』
私の我儘なのかな
みんなと一緒にいたいなんて……
ずっとみんなとテーブルを囲んでワイワイご飯を食べたいなんて……
ずっとずっと
傍にいてほしいのに……
「サッカーの選抜に選ばれたんだ。
その練習が隣の県のトレセンでさ。
そこのトレセンから駅が遠くて終電に間に合わなくて……
それで、夜中に終わって始発ので帰るって生活をしてたら体調を崩しちゃってさ
一週間、完全にダウンして死んでた
だから、同じ選抜チームの友達の家に泊まってたんだ
だけど、選抜も部活も月曜日が休みだからその日だけなら一緒にいれる」
シン君は本当に申し訳なさそうに頭を下げた
選抜ってすごいことじゃん……
でも素直に喜べない
それでも、シン君の足でまといにはなりたくない
『そうだったんだ!
それなら仕方ないよね
頑張ってね!
月曜日、美味しいご飯作って待ってるからね!』
私の我が儘でシン君の未来を壊したくないから…
精一杯、シン君の背中を押した
