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I'll protect you.

第33章 10年越しの想い

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2、3年生はまだ明日もテストがあるこの学校は1年だけテストからの開放感に満ち溢れていた



「コウ、俺ら用事あるから先帰ってて」



───え?と言ったコウは俺を見て一瞬で状況を把握して満面の笑顔



「わかった!

先にユウと買い物して帰ってる!」


その時、ちょうどユウが玄関に現れたのでコウはユウの背中を押して無理矢理連れて帰った


立ち去り間際、コウが俺の方を振り返り



が・ん・ば・れ


って口パクしていた



……サンキュー



だんだんと遠くなっていく二人の背中をただただ見つめていた



誰も居なくなった玄関に誰かが廊下を歩いてくる足音が響いて、その音は1年生の下駄箱の前で止まった





「悪い悪い。

担任に捕まってノート運ばされててさー

行こうか」




そう言って笑顔で駆け寄ってくるカナ



この笑顔が消えるかもしれない




でも





もう、逃げない




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