I'll protect you.
第37章 独占欲
俺は勢い良く扉をあけて、藤宮を睨んだ
藤宮は楓を外へ出して俺の前へと一歩ずつ詰め寄った
「橘 奏斗が邪魔だから
潰そうかなって話」
「言っとくけど、カナは手を出さないだけで
相当強いんですけど?
お前じゃ絶対勝てない」
……全部本当のこと
” 動ければ ”
「そりゃぁ、たまげたなぁ
でもよ、俺の気が晴れねぇんだよ」
コウが殴られてもどうってことない。
コウなら殴られても殴り返すし
でも、カナは……
【…ッ!!カナッ!!…しっかりしろッ!!……誰か救急車ッ!!早くッ…!!】
あの光景が鮮明に蘇る
「俺を殴ればいい」
誰かを失うんじゃないかって恐怖は
もうごめんだ。