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意地悪でHなお勉強

第10章 ありがと…


「あ、いた……弥竜!…ちょっと話があるんだけどいい?」



「あ、朋香。いーよ。」





「ここじゃあれだから屋上でい?」


「おう。」


「陽架梨もいいでしょ?」


「う、うん!」




ほんと朋香は優しい。


本当はうちが言わなきゃいけないことなのに…。



本当にありがとう…っ。




トントントントン…


3人で階段をのぼる。


誰も話さず沈黙が続く。




ガチャ




「…で、話って何?」


「陽架梨、うちが言う?」


「…ううん、うちが言うよ。」


ちゃんと自分で話さなきゃ。




「そう、わかった。」




「…あのね弥竜、うち弥竜のモノになるなんて考えてないから。私はあの人といると少し安心するの。でもあんな弥竜は一緒にいると怖いとしか思えない。いつもの弥竜がいい。友達のままの弥竜がいい。…もうあんなこのやめて?」



「…フッ。何を言うかと思えば。あのなぁ、お前とあいつが何したか学校中に広めてもいいんだぞ?そんなの簡単に出来る。それでも俺のモノになんないの?」




少し沈黙が続く…


その沈黙をやぶったのは朋香だった。


「…あのさぁ、陽架梨はほんとにいい子だから、あんたの言うことより陽架梨の言うことの方をみんな信じると思うよ?ってかそんなに堂々と言ってるけど陽架梨と家庭教師さんが何かしたっていう証拠はあるわけ?」



「…ないけど。」



「はあぁ。話にならない。行こ?陽架梨。」


そう言ってさっさと帰ってしまう朋香。


「あ、待ってよ!」



急いで後を追いかける。

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