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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

土曜日。

あたしは芽生と買い物に来ていた。

クリスマスプレゼントを買う、なんて言いながらも、自分用の雑貨をみたりして楽しんで。

「ねぇねぇ、これ、大輔くんにどうかなぁ?」

芽生が彼氏にカラフルな手袋を見てる。

「可愛いけど…ちょっと恥ずかしくない?」

「そっか~。じゃ、何にしようかなぁ…」

彼氏に贈るものを真剣に選んでる芽生を見て、あたしはどうしようって考える。

プレゼント渡して、わだかまりが解けたらいい…よね。

ニット帽とか、それこそ手袋とか。

普段何気なく使ってもらえるものがいいような感じなんだけど…

そう思いながらニット帽を見てると

「それ友喜くんに!?似合いそ~!」

芽生に言われて、あたしは変に焦った。

「ちっ…違うわよ!!何で友喜なの!?」

「え!?友喜くんにあげるプレゼント見に来たんでしょ?」

「こ、これは…お父さんに!!」

「…お父さん」

「何よ。悪い!?」

軽く芽生を睨んで。

絶対バレバレだよね。顔が赤くなってるの、自分でも分かるくらいだもん。

「うん、いいんじゃない!?お父さん若返るよ」

ニコニコ笑う芽生に毒気を抜かれた。

「決まったなら買っておいでよ。この辺で待ってるから」

「うん…」

絶対に分かってると思うんだけど…。

深く聞かれても困るけど。

深く聞かれないのも、なんか落ち着かないなぁ…。


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