ナイトウォーキン
第1章 後悔のスタンプ
ある夜、
風俗依存症の青年Aは街路を俯いて歩いていた。
一歩歩くごとに足裏に刻んだ後悔の対称文字をスタンプするかのような元気のない足取りであった。
「かぁ~… 今夜もまた性欲を抑えきれずに風俗を利用してしまった。 情けね~… たかが60分の為に一万五千円。俺の場合早濡だから10分が一万五千円。どんだけ貴重な10分なんだよ!!」
月光がスポットライトのように悲し気に降り注ぐ中、Aは後悔の念をまぎらわす為、あえて家路を大きくそらし、当ても無くさ迷い歩いていた。
人っこ一人見当たらない街路。
ナイフのような鋭い寒波が心と身体を殺伐と突き刺す。
ふと首を上げると前方遥か彼方に人影が近づいて来るのに気付いた。
一歩後悔のスタンプを押すごとに迫り来る人影。
1ステップ後悔、2ステップ後悔、、、986ステップ後悔ほど進んだところで人影とすれ違った。
その瞬間、Aは立ち止まった。
脳天を突き抜ける何だか不思議でキョーレツな感覚に囚われてそれ以上歩み進める事が出来なくなっていた。
この感覚は何なのか?
後ろを振り向けばその答えが解るような気がした。
Aは恐る恐る、だか好奇心に胸踊る感情も併せ持ち、ゆっくりと後ろを振り向いた。
そこにはこっちを向いて立ち尽くす全身黒づくめのかなり痩せた自分と同じ年齢くらいの青年がいた。
続く…
風俗依存症の青年Aは街路を俯いて歩いていた。
一歩歩くごとに足裏に刻んだ後悔の対称文字をスタンプするかのような元気のない足取りであった。
「かぁ~… 今夜もまた性欲を抑えきれずに風俗を利用してしまった。 情けね~… たかが60分の為に一万五千円。俺の場合早濡だから10分が一万五千円。どんだけ貴重な10分なんだよ!!」
月光がスポットライトのように悲し気に降り注ぐ中、Aは後悔の念をまぎらわす為、あえて家路を大きくそらし、当ても無くさ迷い歩いていた。
人っこ一人見当たらない街路。
ナイフのような鋭い寒波が心と身体を殺伐と突き刺す。
ふと首を上げると前方遥か彼方に人影が近づいて来るのに気付いた。
一歩後悔のスタンプを押すごとに迫り来る人影。
1ステップ後悔、2ステップ後悔、、、986ステップ後悔ほど進んだところで人影とすれ違った。
その瞬間、Aは立ち止まった。
脳天を突き抜ける何だか不思議でキョーレツな感覚に囚われてそれ以上歩み進める事が出来なくなっていた。
この感覚は何なのか?
後ろを振り向けばその答えが解るような気がした。
Aは恐る恐る、だか好奇心に胸踊る感情も併せ持ち、ゆっくりと後ろを振り向いた。
そこにはこっちを向いて立ち尽くす全身黒づくめのかなり痩せた自分と同じ年齢くらいの青年がいた。
続く…