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〜Strawberry JAM〜

第2章 〜JAM〜

「(欲しい物…欲しい物…)」



『おい。』


「はいぃっ!」




黙って考え込んでいると
急かすような声がして
少し声が裏返る。




『この俺が何かくれてやるってのに
欲しいモンの一つもねーの?』


「…仕事。」


『は?』


「仕事が欲しい…です。」



[物]と言われたが、急かされて
私から出た答えはそれだった。




『なんだお前。仕事してねーの?』


「はい。先月末リストラされちゃって…。
…なんて、無理ですよね。ははは。
何か他に思い浮かばなくて咄嗟に言っちゃいました。
すみません、やっぱ大丈夫です!」


『わかった。』


「え?」


『うちで働けよ。俺が取りいってやる。』




予想外の答えにまたも頭にハテナが浮かぶ。




「ほ、本当ですか!?」


『あぁ。欲しい物無いから現金、とか
言うと思ったら仕事したいって変わってて
おもしれーなって思ったから!
なんの部署でもいーか?』


「はい!雇っていただけるならどこでも!」


『じゃケータイ教えろ。』


「はい!」




こうして私は矢神純希の連絡先を手に入れた。

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