禁断兄妹
第67章 罪と罰②
「く‥‥‥っ」
言葉にならない叫びを飲み下した喉が
びくびくと震えた。
あの野郎
いや由奈
そう灰谷
罪は誰にある
罰を受けるべきは
誰だ
破壊の衝動にわななく両手を
きつく
握り合わせた。
「はあっ‥‥はあ‥‥っ」
俺だと
ふざけるな
俺は
「柊兄‥‥っ」
和虎が強く俺を抱く。
「はあっ‥‥馬鹿、大丈夫だ‥‥っ」
俺がしっかりしなくて
どうする
「灰谷‥‥」
「はい」
「さあ、話せ。
お前が見たこと聞いたこと、全部話せっ‥‥」
「わかりました‥‥」
冷えた冬の早朝
人影のない病院前のエントランス
俺達三人だけが聞き取れるほどの声で語られたのは
偶然と必然が交錯する
悪夢のような出来事だった。