禁断兄妹
第9章 運命の出会い
お前、どう思う
父さんが俺の表情を窺う。
どうって
反対したらやめてくれんの
俺は父さんをまっすぐ見つめた。
いや
父さんは
俺と長く目を合わせていられないのか
泳ぐように視線を逸らして
黙りこむ。
どうせもう
全部決めてしまってるんだろ
俺が何を言っても関係ないのに
返事がいるのかよ
バカバカしい
俺は喉まで出かかった悪態を
なんとか飲み込んだ。
俺が今生活できるのは
父さんが働いて稼いでくれているからだ
俺はただのガキで
養ってもらってる身だ
反抗する権利なんてない
それはよくわかってるつもりだった。
俺はできるだけ平静を装って
別にいいけど
とだけ答えた。
そう言ってしまうと
本当にどうでもいいような
なげやりな気持ちになった。
虚しかった。