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禁断兄妹

第11章 ときめき


「ねー、お兄ちゃんもう一回舌見せてー」


萌が俺のジャケットをつんつんと引っ張る。


「‥‥べー」


「あ、少し薄くなってる!余計変!」


萌がさも可笑しそうに笑う。


「‥‥なんだそれ」


俺も思わず笑ってしまった。


「なんかね、リアルに舌が青い人みたい」


「そんな奴いるわけないだろっ」


俺達は顔を見合わせて笑った。

結局何も言い出せないまま
二人でふざけあいながら
マンションまで歩いた。

俺も父さんに偉そうなこと言えないな
でも
近いうちに絶対に
きちんと話そう。

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