禁断兄妹
第12章 コイワズライ
撮影を終えて外に出ると
辺りはすっかり暗くて
見上げた夜空には
いくつか星が瞬いている。
あの日から俺は
夜空を見上げるくせがついて
星を数えては
萌の言葉や
はにかんだ笑顔を思い出して
甘い幸福感に満たされていた。
父さん
父さんが俺に何を言いたいのか知らないけれど
萌とのことを反対するなら
俺は初めて
あなたに反抗するよ
俺は今まで生意気なことばかり言ってきたけれど
父さんの決めたことには
いつだって従ってきた。
それが母さんの最期の頼みだったからだ。
でも
これだけは譲れない
萌だけは
諦める気はない
俺は
理想の男で終わる気は
ないんだ